一度施工するだけで数十年にわたってフロアの美観が保持される、フロアコーティングをする住まいが増えています掃除の手間を大幅に減らすとともに、床材の劣化や退色を防ぎ、住宅性能の劣化を防ぐことで人気を集めています。従来のワックスや塗装などの床とには大きな差があるといいます。実際のメリットやデメリットの仕組みについて、業界最大手のエコプロコート株式会社長尾まゆみさん(ハウジング事業部 営業本部長)溝口将守さん(カスタマーサービス事業部 技術管理部長)に伺いました。

目次

今回のお話を伺った方
エコプロコート株式会社 ハウジング事業部 営業本部長 長尾まゆみさん

エコプロコート株式会社 カスタマーサービス事業部 技術管理部長 溝口将守さん

1.フロアコーティングについて知っておきたいこと 

最初に伺いたいのは、フロアコーティングとはどんな技術でしょうか? 

―― フロアコーティングは、最近の住宅で床面積の多くを占めるフローリング床などに表面を保護するためのコーティング剤を塗布して保護膜を作る加工のことです。エコプロコートに使われているアクリル系の樹脂は、水族館の大型水槽や自動車や飛行機の部品にも使用されるほど高い強度と優れた透明性を持っています。UVフロアコーティングを施すことで、床材の表面に強固な保護膜を形成することになりますから、床の美観と保護を20年にわたって維持させることが可能です。一般的なフローリング材を例にとると、床材として工場で表面保護用の表面加工が施されて住宅に使用されます。新しいうちは美しさを持っていますが、その保護性能の耐久性はそれほど高いものではありません。時間が経つとツヤの低下や日光や水分の影響を受けて、変色や腐食など劣化してしまうことが少なくありません。これを防ぐためには数年おきに塗装を繰り返したり、数ヶ月ごとにワックスを塗布したりの維持管理を繰り返す必要がありました。しかし、これは手間もコストも必要な作業です。
 UVフロアコーティングは、一度表面をコーティングしてしまえば丈夫な皮膜を作ることができ、20年以上の長期間にわたってメンテナンスの手間を減らし施工時の美しさをそのまま維持してくれます。フロア表面に強固な皮膜を作ってしまうため、日常の掃除も簡単な拭き掃除で常に清潔な床を維持することができます。実際に弊社のUVフロアコーティング「エコプロコート」を施工したお客様のお住まいでは、20年以上を経てもコーティングの性能を保持していらっしゃいます。長期にわたってフロアの維持管理の手間を大幅に軽減させることができる技術なのです。 

2.フロアコーティングの種類と違い 

フロアコーティングもいろいろな種類があるようですが、実際にどのような違いがあるのでしょうか?

―― フロアコーティングにはさまざまな種類があります。それは、コーティングに使用する素材の違いや施工方法の違いがあるからです。素材では、水性ウレタン系、シリコン系、ガラス系、UV硬化樹脂などが主に使われ、それぞれにコストや耐久性の違いがあります。
シリコンや、水性ウレタン樹脂を使ったコーティングは、コスト面で優れているのですが、皮膜も薄く耐久性に優れているわけではなく数年で劣化するケースも少なくありません。家庭用洗剤による変色や日常の生活をすることで摩耗してしまうこともあります。
ガラス系の樹脂を使ったコーティングは、表面の硬度が高く9ミクロンほどの薄い皮膜で美観を保ちキズがつきにくいのが特徴です。ただし、比較的新しい素材なので現状では長期の耐久性が確認されているわけではありません。非常に薄い皮膜で硬いものを落としたり、家具の移動などで皮膜が割れたりするケースもあります。キッチンで使う漂白剤などに弱いことも確認されています
 UV樹脂を使ったコーティングは、紫外線を使って瞬時に皮膜を硬化させる素材で、20~30ミクロンの厚い皮膜ですが、実際の施工には技術や機材が必要で、コスト的にも高めになってしまいます。
 エコプロコートに使われているアクリル系の樹脂は、水族館の大型水槽や自動車や飛行機の部品にも使用されるほど高い強度と優れた透明性を持っています。床材の表面に強固な保護膜を形成することになりますから、床の美観と保護を20年以上にわたって維持させることが可能です。その保護膜の形成には紫外線による硬化反応が必要なのですが、エコプロコートの施工にあたっては、専門の技術者を育成。技術講習や専用UV硬化樹脂に最適な紫外線照射機の開発を重ねて高品質のUVフロアコーティングを実現しています。
 フロアコーティングは初期費用がかかるように見えますが、住居の床の耐久性が高まり美観を維持できることで床の張替えやメンテナンスコストが大幅に低減できることが可能です。また、掃除の手間が非常に軽減されるなど、トータルコストとメリットを考えることも大切だといえるでしょう。