一度施工するだけで数十年にわたってフロアの美観が保持される、フロアコーティングを取り入れる住まいが増えています。美観のほか、掃除の手間を大幅に減らせる、床材の劣化や退色を防ぐ、生活するうえでの安全性を高められるといった点で人気の施工です。
実際のメリットやデメリットの仕組みについて、業界最大手のエコプロコート株式会社の長尾まゆみさん(ハウジング事業部 営業本部長)と溝口将守さん(カスタマーサービス事業部 技術管理部長)に伺いました。
目次
今回のお話を伺った方
エコプロコート株式会社 ハウジング事業部 営業本部長 長尾まゆみさん

エコプロコート株式会社 カスタマーサービス事業部 技術管理部長 溝口将守さん

フロアコーティングの仕組み
まず最初に、フロアコーティングとはどんな技術でしょうか?
―― フロアコーティングとは、フローリング床にコーティング剤を塗布する施工のことです。
フロアコーティングがされていない一般的なフローリング材にも表面保護用の表面加工が施されていますが、耐久性はそれほど高いものではありません。また、新しいうちは美しさを持っていますが、時間が経つとツヤの低下や日光や水分の影響を受けて、変色や腐食など劣化してしまうことも少なくありません。
これを防ぐためには数年おきに塗装を繰り返したり、数ヶ月ごとにワックスを塗布したりの維持管理を繰り返す必要があり、手間もコストもかかります。対して、フロアコーティングの場合は、一度の施工で床材を長期間守ることができます。
フロアコーティングは初期費用がかかるように見えますが、長期にわたって、住居の床の耐久性が高く保てる、美観を維持できる、掃除やメンテナンスのコストが大幅に低減されるといったメリットがあるため、トータルコストの面で優れています。
フロアコーティングの種類と違い
フロアコーティングにもいろいろな種類があるとのことですが、実際にどのような種類と違いがあるのでしょうか?

―― フロアコーティングに使われるコーティング剤(塗料)は、主に樹脂を材料としており、UV(紫外線硬化)・ガラス系・シリコン系・水性ウレタン系などの種類に分かれます。このコーティング材の種類によって、硬化方法・耐久性・見た目のツヤ・滑りにくさなどの性能が異なります。
たとえば、シリコンや、水性ウレタン樹脂を使ったコーティングは、コスト面で優れているのですが、皮膜も薄く耐久性に優れているわけではなく数年で劣化するケースも少なくありません。家庭用洗剤による変色や日常の生活をすることで摩耗してしまうこともあります。
ガラス系の樹脂を使ったコーティングは、表面の硬度が高く9ミクロンほどの薄い皮膜で美観を保ちキズがつきにくいのが特徴です。ただし、比較的新しい素材なので現状では長期の耐久性が確認されているわけではありません。非常に薄い皮膜で硬いものを落としたり、家具の移動などで皮膜が割れたりするケースもあります。キッチンで使う漂白剤などに弱いことも確認されています。
UVフロアコーティングは、一度表面をコーティングしてしまえば丈夫な皮膜を作ることができ、20年以上の長期間にわたってメンテナンスの手間を減らし施工時の美しさをそのまま維持してくれるおすすめの技法です。
UVフロアコーティングについて詳しく教えてください
UV樹脂を使ったコーティングは、紫外線を使って瞬時に皮膜を硬化させるものです。20~30ミクロンの厚い皮膜を形成できますが、実際の施工には技術や機材が必要で、初期費用は高めの傾向にあります。ただし、一度表面をコーティングしてしまえば丈夫な皮膜を作ることができ、20年以上の長期間にわたってメンテナンスの手間を減らし施工時の美しさをそのまま維持してくれます。
エコプロコートのフロアコーティングにはどういった特徴があるのでしょうか?
―― エコプロコートに使われているアクリル系の樹脂は、水族館の大型水槽や自動車や飛行機の部品にも使用されるほど高い強度と優れた透明性を持っています。また、UVフロアコーティングを施すことによって、床材の表面に強固な保護膜が形成され、床の美観と保護を20年にわたって維持させることが可能です。
実際に弊社のUVフロアコーティング「エコプロコート」を施工したお客様のお住まいでは、20年以上を経てもコーティングの性能を保持していらっしゃいます。長期にわたってフロアの維持管理の手間を大幅に軽減させることができる技術なのです。
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フロアコーティングはどんなメリットが得られるのか
では、実際にフロアコーティングを施すことでどんなメリットがありますか?
―― まず、日常の掃除の労力が非常に軽減されます。コーティング膜で床表面の凹凸も覆われるため、お部屋のほこりやゴミを掃除機などで簡単に取り除けるようになりますから、モップなどで簡単に拭くだけできれいなフロアが維持できます。フロア表面から水分が染み込むこともないのでシミや汚れは表面的なものですから、簡単な清掃だけでもフロアの美観を新築時と同様に保つことができるのです。
フローリングなどフロアに木材を使う以上、日光や水分によって日々劣化してしまいます。また、住宅のフロアは日常生活でついた細かいキズや床の継ぎ目などから入った水分で劣化してしまいます。フロアコーティングを施すことで水分の浸透を防ぎフロア表面の酸化や日焼けを防ぐとともに、キズがつきにくくなり床の劣化を防ぎます。
フロアの住宅の補修工事は費用も時間もかかる大きな工事になりますが、耐久性の高いUVフロアコーティングを施工することで、住宅のメンテナンスコストを下げられます。
さらに、ご家庭にお子様や高齢の方、ペットと一緒に暮らす方にぜひお勧めしたいメリットもあります。フロアコーティングは、フロアを滑りにくくすることもできるので、住宅内での転倒事故を防げます。床が滑りにくくなることで、室内飼いのペットに多くみられる膝や腰の関節への影響を大幅に低減し、健康的な生活環境を与えられます。
フロアコーティングの選び方

どんなポイントに注意してフロアコーティングを選べばいいのでしょうか?
―― フロアコーティングには長期間の耐久性がある一方、ワックスのように簡単に剥がすことができないものもあるため、選択時に十分な検討が必要です。まず、フロアコーティングの仕上がりの美しさや滑りにくさはもちろん、水、摩耗、熱への耐久性能、日常生活で使用する洗剤や漂白剤、薬品などへの耐性を確認しましょう。
各ご家庭に合わせた性能選びも重要です。高齢者や乳幼児がいたり、ペットと暮らしたりする場合は、滑りにくさや掃除のしやすさ、安全性も重要なポイントになります。
施工会社から施工サンプルを取り寄せることができますから、比較してみましょう。フロア表面の手触りや滑りにくさなどを実際に触って確かめることができます。可能であればショールームへお出かけいただくとさらに分かりやすいと思います。サンプルでは判断しにくい歩いた感触や部屋全体の光沢の加減など、より多くの情報を集めることが可能です。
特に、乳幼児のいるご家庭やペットを飼われているご家庭では、床に直接手足が触れることも多いので、フロアコーティングの安全性もチェックしておきたいところです。弊社の「エコプロコート」シリーズは、UV硬化樹脂を使用し、床を直接触ったり手をついたりしても抗菌・抗ウイルス性能を持っているので安心。ISO 22196法/ISO 21702法により評価された結果に基づき、抗菌製品技術協議会ガイドラインで品質管理・情報公開されたSIAAマークを取得しています。
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施工会社の選び方で注意したいポイントはありますか?
―― フロアコーティングを手掛ける会社は、規模や提供するサービスがさまざまです。フロアコーティングは長期にわたって使用されるため、メンテナンスや修復、アフターサービスの充実度も重視するとよいでしょう。ご自宅の近くに拠点があるか、ショールームやサービス拠点はあるのかなども調べておくと、事前にトラブルを防ぐことができます。
また、フロアコーティングは専門の施工技術が必要で、技術者のレベルによって仕上がりに大きく差がついてしまいます。実際の施工実績や取引先をホームページなどで調べたり、ショールームで施工例を確認したりすることも大事です。
さらに、施工体制はぜひ確認していただきたいポイントです。実際に施工する業者の技術力にばらつきがあったり、使用する材料が安価な市販品であるというケースもあります。
エコプロコートは、コーティング剤のメーカーと共同で研究開発したオリジナルコーティング剤を使用しています。他のフロアコーティングの数倍にも及ぶ厚みのある塗装膜を完全に硬化させるために、正しい紫外線の周波数の光を照射するとともに、紫外線の照射時間や照射角度など技術力が求められます。UV硬化樹脂塗料の塗布から紫外線照射機の性能、また施工する気温や床材の材質など、条件に合わせて完全硬化させるためには高い技術力と施工者の経験が必要です。
エコプロコートは、その点でも経験豊富な技術者が直接作業し全国の施工現場と本社の技術セクションは密接な連絡体制を持っていますから、施工現場とリアルタイムで情報を共有し、技術的なサポートや指導を行うことで高い基準の施工体制を保っています。フロアコーティングを守る上でも重要なポイントです。施工技術者は社内で専門的な技術研修を受け、確かな技術を習得したスタッフが約150名在籍しており、全国どこでも均質で高品質な施工を実施しています。
契約から施工まで、知っておきたい手順

フロアコーティングの契約から施工完了まで確認しておくべきことはありますか?
―― フロアコーティングは、施工する床の全面にコーティング剤を塗布する必要があります。新築時やリフォーム時など、床材が新しく家具が入っていない場合はあまり問題になりませんが、、現在居住中の居宅にフロアコーティングを考えている場合は、家具の移動や施工完了までの日程や費用を確認する必要があります。また、床材の状態によっては下地加工などが必要な場合があるため、事前に充分な確認作業をすることが必要です。
自然乾燥させる水性ウレタン系、シリコン系、ガラス系などの場合は、気温や湿度、換気のため窓を開け放つことができないなど、当日中に施工部分が使用できないこともあるので、余裕を持った日程調整が必要です。
弊社で扱っているUVフロアコーティングの「エコプロコート プレミアム」「エコプロコート ナチュラル」「愛犬の床」は、すべてUVフロアコーティングを採用しています。UVフロアコーティングは、紫外線によって瞬間的に硬化させるため、施工後はニオイもありません。予定日当日に施工完了することができますから、家具の移動やお引っ越しも予定した日に搬入できます。
8. 施工後の日常のメンテナンスや補修について
アフターサービスやトラブルに備えることはありますか?
―― 本来、フロアコーティングは、施工後のメンテナンスがほとんど不要な技術です。簡単な掃除できれいさを保つことができます。しかし、実際には家具の引きずりや硬いものでキズをつけてしまい、コーティングの修復が必要なトラブルになってしまうこともあります。コーティングの種類によっては補修できないものもあるのです。
水性ウレタン系、シリコン系、ガラス系のフロアコーティングは、変色や退色、また、キズやひび割れなどの場合、素材の特性上部分的な修復が非常に困難になってしまいます。UVフロアコーティングのエコプロコートは、部分補修や再塗装も可能なので、安心感もご提供できると考えています。
まとめ

最後になりますが、エコプロコートについて教えてください。
―― フロアコーティングは誕生してから30年ほどの新しい技術です。弊社は、創業以来30年以上にわたりフロアコーティングの最前線として経験を培い、毎年8,000件以上、グループ全体で12万件を越える豊富な施工実績を積んできました。
自社でコーティング剤の開発研究も行い、UVコーティングでもっとも重要なUV照射機も使用するコーティング剤に最適な波長と紫外線量を持つ独自の専用自走式紫外線照射機を開発しています。
また、施工技術を高水準に保つための研修制度を備え、全国の施工現場の情報をクラウド環境で本社の技術部門と共有して、全国どこでも均質で高品質な施工をする仕組みを備えています。
常に新しい建材に対応する技術の研究開発も行い、UVフロアコーティングの最適な施工方法や資機材の使用法を確立しているのです。
業界で唯一、自社内で研究開発するセクションを設けて、あらゆる種類の床材のフロアコーティングをテストした結果、もっとも優れたフロアコーティング方法は、UVフロアコーティングであると考えています。その結果、「エコプロコート プレミアム」「エコプロコート ナチュラル」「愛犬の床」は、すべてUVフロアコーティングを採用しています。
弊社のUVフロアコーティングを継続してご依頼いただくお客様も多く、施工後20年以上のお付き合いをいただいているお客様もいらっしゃいます。豊富な施工実績と経験があるからこそ多くのお客様のご依頼をいただいているのだと思います。
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