毎日のドッグフードは、ワンちゃんの成長と健康に不可欠な要素。年齢、体重、持病、食いつき、安全性など、気をつけるべき項目はたくさんあります。
でも市販されているドッグフードは膨大な数で、どれを選べば良いか迷ってしまうのも事実です。ネットでおすすめを調べてみても、難しい単語や専門用語が多いと難しく感じてしまいますよね?
今回の記事では、ドッグフード選びにまつわるお悩み解決方法や2024年のおすすめドッグフード10選を、分かりやすくご紹介します。
目次
ドッグフード選びは慎重に
家族のような存在の愛犬にずっと元気でいてもらうには、飼い主であるあなた自身がドッグフード選びの正しい知識を身につけましょう。
ワンちゃんの健康は食事しだい
食事は、愛犬の生活において何より大切なものです。まずは人と食性が違うことを理解し、人用に調理された食べ物を与えないよう気をつけましょう。また成長や加齢に応じて、食事の量、内容、頻度を見直すことをおすすめします。
最近では、市販のドッグフードでなく、手作りの食事を与える飼い主さんも多くなってきています。でもカロリーや栄養バランスを整えて作るのは、思っているより大変で、専門的な知識が欠かせません。
基本的にはプロが作った市販のドッグフードを利用し、おやつやトッピングとして手作りフードを与えるスタンスが良いでしょう。おいしそうに食べてくれるからといって、栄養の偏った食事をあげ続けていると、肥満や病気の原因になりかねません。
またドッグフードには、総合栄養食と一般食があります。主食として使われるドライフードは、ほとんどが総合栄養食であり、ワンちゃんに必要な栄養素をバランス良く含んでいるのが特徴です。
一方で、ウェットフードに多い一般食は、嗜好性を高くしてある傾向にあります。食いつきが良いぶんカロリー過多になりやすく、与え過ぎはおすすめしません。
人と同じ!?ドッグフードの栄養バランス
基本的には犬も人も、摂るべき栄養素はほとんど同じ。でも守るべき栄養バランスは、少し違いがあります。だからこそ、人用の食事ではなくドッグフードがおすすめなのです。
ドッグフードの栄養成分表示には、犬の5大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物、灰分、水分を記すようルールが決められています。
1.タンパク質
肉、魚、卵、大豆、乳製品に多く含まれるタンパク質。筋肉、皮膚、被毛、血液、内臓などの原材料になる成分です。飼い主さんは、できるだけ質の良いタンパク質が含まれるドッグフードを選んであげましょう。
高品質なタンパク質は消化吸収率が高く、未消化物による腸内環境の悪化を減らせます。ただし持病のあるワンちゃんは、タンパク質の摂取制限のある場合がありますので、必ず獣医にご相談ください。
2.脂質
肉、魚、卵、大豆、乳製品などから供給されます。体を動かしたり生命を維持したりするエネルギーになる栄養素です。他にも、体温の調節、臓器の保護、細胞膜やホルモンの材料など、体内で脂質の役割は多岐にわたります。
脂質を多く含むドッグフードは嗜好性が高くなるため、食いつきが良くなるのも特徴のひとつ。その反面、酸化しやすい成分でもあるので保存方法には注意しなければいけません。
3.炭水化物
米、小麦、ジャガイモ、トウモロコシなどの穀物に多く含まれる炭水化物は、糖質と食物繊維が合わさった栄養素。エネルギーとして燃やされる以外に、腸内環境の改善や便通の正常化に働くとされています。
愛犬の運動量に対し糖質の摂取量が多くなると、肥満の原因になるため与え過ぎは禁物です。特に減量や体重管理を要するワンちゃんには、血糖値の上がりにくいタイプの炭水化物が配合された商品を選びましょう。
4.灰分
灰分とは、いわゆるミネラルを指します。鉄、リン、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、体の諸機能を調節するための栄養素です。
ミネラルは互いに影響しあって働くため、摂取バランスには気をつけましょう。特定のミネラルを摂りすぎると、他のミネラルの作用を阻害してしまう可能性もあります。
5.水分
人と同じく犬の体重の約60%を占める水分。水は血液やリンパ液の主成分として、酸素、栄養素、ホルモンなどを運搬する重要な栄養素です。犬だけでなく動物は、10%の水分を失うと脱水によって命に関わるとされています。
もし、いつものドッグフードが乾燥したドライフードばかりだと、水分が足りなくなるかもしれません。意外と食べ物から摂れる水分は多いので、ウェットフードも適度に与えることをおすすめします。
目的別のおすすめドッグフード
最近のドッグフードは多様化しており、目的に応じた商品が数多く開発されています。愛犬の状況や状態を踏まえ、最適な食事を摂らせてあげましょう。
主食に適した総合栄養食
主食に適したドッグフードは、総合栄養食と表示のある商品です。犬に必要な栄養素がバランス良く含まれていて、総合栄養食と水を与えていれば、十分に健康を維持できると考えられています。
間食はご褒美やしつけ用に
間食用のドッグフードは、メインの食事とは別に与える嗜好品です。市販の商品パッケージには、おやつ、スナック、トリーツなどと表示されています。愛犬へのご褒美やしつけ用に、決められた量をあげましょう。
1日に与える量は、必要なカロリーの20%以内におさめるのが望ましいとされています。
治療中のワンちゃんには療法食を
愛犬が獣医による治療を受けている時期は、ドッグフードによる栄養面でのサポートが有効なこともあります。
特定の病気や健康状態に合わせて、栄養成分の量や割合を調節したドッグフードには「特別療法食」「食事療法食」などの表示があります。
ドライとウェットの違いを知ろう!
「ドライフードばかりだから、たまにはウェットフードをあげたほうがいいのかな?」
「ウェットフードの方が良く食べてくれるから、ドライフードは美味しくないのかしら・・・」
上記のような疑問を持つ飼い主さんは少なくありません。人と同じくワンちゃんにも、食感の好みがあります。また体調や健康状態によっては、特定のフードを控えなければいけない時があります。
ドライとウェット両方の特徴を知ったうえで、かしこく使い分けましょう。
ドライフードの特徴
・水分含有量が10%以下
・栄養バランスが良い
・炭水化物の割合が多い
・開封後の保存がしやすい
・歯石がつきにくい
・価格が安い
ウェットフードの特徴
・水分含有量が75%程度
・タンパク質の割合が多い
・嗜好性が高く食いつきが良い
・開封後の保存がしにくい
・歯石がつきやすい
・価格が高い
成犬用と子犬用は何が違う?
小型犬・中型犬が成犬になるまでには、一般的に生誕から9〜12ヶ月かかります。大型犬は、成犬になるまで18ヶ月を要するとされているので、成犬になったタイミングで、子犬用フードから成犬用フードに切り替えると良いでしょう。
小型犬の体重は生後1年で約20倍になりますし、大型犬は1年半で70〜100倍になると言われています。急激な体の変化が起こる子犬期においては、タンパク質、脂質、リン、カルシウムなどを、骨や筋肉の成長に十分なだけ摂らなければいけません。
そのため子犬用フードには、発育に必要な栄養素がしっかり含まれています。逆に、成犬に子犬用を与え続けると、オーバーカロリーになりやすいので注意が必要です。
おすすめしたいドッグフードの選び方
総合栄養食をメインに
毎日のドッグフードには、栄養バランスに優れた総合栄養食を選んでおくと間違いありません。獣医の指導が必要な療法食は、自己判断で与えないよう気をつけましょう。
原材料がはっきり分かるものを
ドッグフードを購入するさいは、必ずパッケージなどを調べ原材料を確認してから。ペットフード安全法によって、全ての原材料に表示の義務があります。
添加物にも気をつけて
ある程度の添加物は、栄養を補うためや腐敗を防ぐため必要です。とはいえ添加物によっては長期間の使用で、アレルギーなどを引き起こす可能性があるので要注意です。
ドッグフード選びは表示のチェックから
ドッグフードは「ペットフードの表示に関する公正競争規約」により、以下の9項目の表示が義務付けられています。
表示しなければならない9項目
1.品名
2.用途
3.内容量
4.給与方法
5.賞味期限
6.成分
7.原産国名
8.製造者名・製造者の住所
また栄養成分についても「ペットフードの表示に関する公正競争規約」で、5大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、灰分、水分)の含有量の表記が定められています。
要注意!ドッグフードの危険成分とは
いつも愛犬に与えているドッグフードが、安全なのは当たり前と思っていませんか?
実際には、見栄えを良くするための着色料や保存性を良くするための保存料の中に、発がん性が確認されているものもあります。さらには、人が食べられない低品質な肉を、ドッグフードに混ぜてコストカットを図る業者もいます。
飼い主さんは、店頭にずらりと並んだドッグフードの中から、愛犬にとって安心・安全な商品を選ばなければいけません。そのためには、原材料について正確な情報を得るようにしましょう。
安全とは言い切れない原材料
1.青色2号、黄色5号、赤色102号
飼い主さんの目に美味しそうに映るよう、着色料として色付けに使われます。愛犬の健康にとっては不必要で、体調を崩す原因になりかねません。
2.BHT・BHA・エトキシキン
保存料、酸化防止剤として使用される成分。長期保存をするのに便利と考えられていますが、犬の健康に悪影響が出る心配があります。
3.ミートミール
病気の動物や死んだ動物の肉が、紛れ込んでいる可能性があります。人の食用基準を満たさない肉であり、動物の骨、毛、羽、皮、内臓、糞を含んでいる場合もあるため消化に良くありません。
肉粉、肉副産物と表記されていて、原材料がはっきりしないものは選ばないのが賢明です。
ワンちゃんの体調や好みも考慮して
言葉の話せない動物は、食べ物の好き嫌いが言えません。したがって飼い主さんは、愛犬の食べる量を見て判断しましょう。たとえ栄養バランスが良くても、少量しか食べなければ栄養不足になりかねません。
人より嗅覚が発達している犬は、まず「におい」でドッグフードを判断します。そして味や食感で好みかどうかを決めています。犬が美味しいと感じるのは、良質な脂質や動物性のタンパク質です。
犬の嗜好性に大きく関わる脂質は、原材料として含まれる油脂の種類が明示されたものを。肉や魚の脂肪分から作られた脂質は、豊かな香りと濃厚な舌触りでワンちゃんを魅了します。
また、主原料として原材料表記の最初に、動物性タンパク質が記載されていることも大切です。動物性原料の割合も記されていて、50%以上になっているのが理想。もし動物性タンパク質の比率が低いと、食いつきに影響がでるかもしれません。