【40代以上のリアル】「自然な出会いを待つ」大人世代の本音。マッチングアプリに踏み出せない理由

今や40代以上のミドルシニアにも広がりを見せるマッチングアプリ。40代・50代・60代がアプリを使って恋人や再婚相手を探すのは珍しくありません。Q&Aサービス・OKWAVEの40代以上会員を対象とした「マッチングアプリに関するアンケート」（有効回答数202件）では、25.7％がマッチングアプリの利用経験がありました。しかし、その一方で70％以上の人が利用経験なしと回答をしています。

ネットの出会いに不安と抵抗感

Q．出会いの機会は欲しいけれど、マッチングアプリを利用したことがない理由は何ですか？

「ネットでの出会いに抵抗がある」と答えた人の割合が23.5％、「サービスの安全面に不安がある」が20.8％という結果になりました。これは、マッチングアプリの利用経験者の「Q. マッチングアプリを選ぶ際に重視したことは何ですか？」の回答にも「信頼性・安全性」57.6％にも共通します。

この年代は特に、ネットでの出会いに対して信頼性や安全性を気にする割合が多いです。今でこそマッチングアプリは婚活・恋活の場として広く浸透していますが、40代以上のミドルシニアにとっては「出会い系サイト」全盛期のイメージが根強くあります。70％以上の人がマッチングアプリの利用に踏み切れないのは、そのあたりも影響しています。

その他の回答については

と、いずれもマッチングアプリへの興味は持っているものの、料金、恥ずかしさや使い方が分からないことへの不安など、心理的なハードルが大きいことがわかります。

40代以上の53.4％が自然な出会いを望んでいる

マッチングアプリを利用したことがないミドルシニア層は、どんな形で出会いを見つけたいと考えているのでしょうか。

Q．マッチングアプリ以外では、どのような形で出会いを探そうとしていますか？

圧倒的だったのは「自然な出会いを待つ」の53.4％。次いで、「趣味や習い事を通じて」が31.1％、「友人や知人の紹介」23.6％と続きます。

ですが、こうした出会いは自分から積極的に相手を探すマッチングアプリとは異なり、チャンスを待つ受け身型。アプリとは違った制約や不安があるのも事実です。それぞれの出会い方について、メリットデメリットを見ていきます

■友人・知人の紹介

知り合いからの紹介のため相手に対する安心感があります。ですが、友人や知人も40代以降と年齢が高く「紹介できる独身がいない」「仕事や家族のことで手一杯。紹介するような時間的＆精神的余裕がない」という問題も。

■趣味や習い事を通じて

自然な出会いに近いのがこのパターン。趣味など興味に対する共通点も多く会話が弾みやすいのがポイントですが、パートナー探しを目的とした集まりではないので出会いに繋がるかは不透明です。

■婚活パーティー・イベント

出会いを目的としたイベントなので、意気投合すれば連絡先交換や交際など距離が縮まるのも早い点がメリット。ただし、開催される場所が限定されるのでわざわざ出かける必要があり、その都度参加費用がかかります。

■SNSやオンラインコミュニティ

会費もかからず手軽に気の合う相手が見つけられます。ですが、結婚相談所やマッチングアプリのように本人確認が実施されていないため、相手の真剣度が分かりにくいです。簡単にやりとりできる分、出会った後のリスクも大きく注意が必要です。

■自然な出会いを待つ

多くの人が理想とする出会いの方法。職場や学生時代の友人との再会、通勤の途中、行きつけのお店など日常生活の中での偶然の出会いを指しますが、現実的に考えるとチャンスは多くありません。

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婚活経験がないミドルシニアの未婚率

大人世代では偶然や自然な出会いを理想としながらも、実際には出会うきっかけが限られています。

日本総合研究所の調査によると、45～64歳のミドルシニア未婚者のうち約8割が婚活経験なしという結果が出ています。結婚相手を見つけたい場合、自然な出会いにこだわるほど、パートナーに巡り合えないということになりかねません。

そこで有効なのが「趣味や価値観で繋がれるマッチングアプリ」です。信頼性の高いマッチングアプリを上手に活用すれば、いつでも気軽に、しかも安全に出会えるというメリットがあります。

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ミドルシニアの65.5％は相手探しを急がない

20代～30代の若者世代の場合、婚活目的もしくは結婚を考えられる恋人探しのため、早い段階で結論を出したい傾向にあります。それでは、40代以上のミドルシニアは、相手に出会うまでの期間をどう考えているのでしょうか。

Q．理想的な相手と出会うまで、どのくらいの期間で見つけたいと思いますか？

「特に期限はない」と答えた人の割合が65.5％と半数以上を占める結果となりました。「時間がかかってもいいのでじっくり探したい」人が11.5％、「数ヶ月～半年以内」も10.1％いました。

20代～30代の場合、出産や育児などを考えると年齢的なタイムリミットを考慮する必要があります。婚活や恋活にスピード感を求めてしまうのは無理もない話でしょう。

一方で40代以上になれば若い世代のような制約はありません。自分に合った人を探したいという思いが強く、出会うまでの期間にこだわりはないようです。 

理想は「お互いを尊重できる関係」を自然に築くこと

マッチングアプリの利用経験がない40代・50代・60代は「理想的な大人の出会い・交流」についてどのように考えているのでしょうか。また、利用経験ありと回答をした人たちとの違いはあるのでしょうか。

Q．あなたにとって理想的な『大人の出会い・交流』とはどんなものですか？

「お互いの価値観や人生経験を尊重し合い、安心して会話ができる落ち着いた交流です。利害関係ではなく、人として自然に信頼を築ける出会いを理想としています。（40代女性/山形県）」

「パートナーとなるならないに関わらず、人生を共に楽しめる仲間を探せること。（40代男性/東京都）」

「好きなことが一緒だったり、趣味が合ったり、とにかく一緒に居て楽で楽しくてあっという間に時間が過ぎていくような人が居てくれるのがいいかな…。男と女とかの面倒くさい奴は、もう興味ないから。（50代男性/長野県）」

「昔からの『ごく普通の出会い』が一番よいと考えます。SNSは、お互いに相手の状況が不明であるため、無理があると思っています。（60代以上男性/東京都）」

主な回答をまとめると、次のとおりです。

マッチングアプリの利用経験がない40代以上は、人間関係を自然に育てたい気持ちが強いことが見てとれます。「自然に」「無理なく」「日常」といった言葉が出てくる点が、利用経験ありと答えた人との違いです。

また、恋愛や結婚だけにこだわらず、食事やお酒、趣味などを通じて安心して話せる相手、価値観や人生観を共有できるパートナーを求めているという結果に。期待する出会いについてはマッチングアプリの利用経験の有無に関わらず、同じような傾向がみられました。

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まとめ

マッチングアプリが一般的になった今でも、40代・50代・60代の多くは「ネットの出会い」にまだためらいがあります。背景にあるのは、出会い系サイト全盛期の記憶や、安全面の不安、そして「自然な出会いこそあるべき姿」という価値観です。

ですが、実際には日常での出会いから発展する機会は限られています。

これからの大人の出会いは「信頼できる仕組みの中で、自然に人柄を感じられるサービス」が鍵になるでしょう。

マッチングアプリも「恋愛や結婚相手を手っ取り早く探すツール」ではなく、「価値観の通じる相手と出会う場」とすることでミドルシニア世代に新しい可能性を広げていけそうです。