「世界中のありがとうの物語を蓄積し可視化する」をパーパスとし、法人・個人向けコミュニティサービスを展開する株式会社オーケーウェブ(東京都港区、代表取締役:杉浦 元、以下「オーケーウェブ」)は、パン業界の倒産が過去最多となる中、なぜ今「コッペパン」への投資が加速しているのか?高級食パンブームの終焉と「日常食」への回帰を、最新の市場データから徹底分析しました。

本レポートでは、2023年度に急増したパン製造小売業の倒産データと、消費者の志向変化(低価格・日常性へのシフト)を照らし合わせ、市場の構造変化を解説します。

一過性のブームに依存した高単価モデルが淘汰される一方で、給食文化に根ざした「コッペパン」がなぜインフレ下の最強の防衛策となるのか。その理由を「飽きない需要」「職人不要のFCシステム」の両面から紐解きます。

1.「高級食パンバブル」の崩壊と市場の適正化

かつて行列を作り、メディアを席巻した「高級食パン専門店」。しかし今、その景色は一変しています。データは残酷なまでに「ブームの終焉」を示しています。

東京商工リサーチの調査によると、2023年度の「パン製造小売」の倒産件数は37件と前年度比で約2倍に急増し、過去最多を記録しました(※1)。

特筆すべきは、その多くが「原材料高騰を価格に転嫁できなかった」こと、そして「ブームの沈静化による客数減」に起因している点です。

 

【図表:パン製造小売業の倒産件数推移グラフ】

2020年〜2021年はコロナ禍による「巣ごもり需要」で一時的に持ち直しましたが、2022年以降の急激な「原材料価格の高騰(小麦・油脂・電気代)」が経営を直撃しました。

特に注目すべきは、「薄利多売ができない小規模店」や、既に高単価でこれ以上の値上げが難しい「高級食パン専門店」の淘汰が進んでいる点です。

これは一過性の現象ではなく、市場が「高付加価値・高価格」から「持続可能な適正価格」へと構造調整されていることを示唆しています。

2.消費者が戻ってきた場所「飽きない日常」と「コスパ」

コッペパンを作っている様子

高級ブームが去った後、パンの需要自体が消えたわけではありません。総務省統計局の家計調査(※2)を見ると、パンへの支出金額自体は底堅く推移しています。

変化したのは「何にお金を使うか」という中身です。

日本フードサービス協会(JF)のデータ(※3)によると、キーワードは明確に「コストパフォーマンス」と「日常性」にシフトしました。

コロナ禍前(2019年)の売上を100とした場合、「ファーストフード(低単価・日常食)」業態は、2023年時点で120.5%という驚異的な成長を記録しました。

一方で、高単価かつ非日常的な利用が多い「パブ・居酒屋」業態は、回復傾向にあるものの66.3%にとどまっています。

【図表:外食・中食市場における「低価格帯」vs「高価格帯」の業態別成長率比較】

これは単なる「外食控え」ではありません。消費者は「ハレの日の贅沢(高級食パンや飲み会)」を切り捨て、「毎日の生活を支える、安くて満足感のある食事(コッペパンやファストフード)」へと移り変わっているのです。

3.なぜ「コッペパンFC」が”長く続くビジネス”なのか

コッペパンを作っている様子

個人経営のパン屋が次々と廃業に追い込まれる中、コッペパン専門店のフランチャイズ(FC)モデルが「安定収益の最適解」として注目されるには、明確な構造的理由があります。

① 「選べる楽しさ」が”飽き”を防ぐ(需要の永続性)

高級食パンは「そのままで美味しい」が売りでしたが、それは裏を返せば「味の逃げ場がない」ことを意味します。

一方、コッペパンは様々な用途を持つ「器(プラットフォーム)」であり、下記のような豊富なバリエーションとその需要が強みです。

惣菜系(おかず):ランチ需要

スイーツ系(おやつ):ティータイム需要

揚げパン:ノスタルジー需要

具材を変えるだけで無限のバリエーションが生まれ、顧客は「今日は何にしよう」と毎日通うことができます。これが一過性のブームで終わらない「日常食」の強みです。

② 「職人不要」のFCシステムがリスクを破壊する

個人のパン屋が倒産する大きな要因の一つに「職人の後継者不足」「早朝からの長時間労働」があります(※4)。 コッペパンFCの多くは、本部から供給される高品質な冷凍生地や、焼成済みパンを使用するオペレーションを確立しています。

高度な製パン技術が不要(アルバイトでも運営可能)

オーダーごとの調理(作り置き廃棄ロスの極小化)

これにより、職人に依存せず、かつ廃棄リスクを抑えた高収益体質を実現できます。

安定を求めるなら「日常」に投資せよ

高級食パンなど高価格帯の華やかなブームは去り、「毎日の生活を支える、コスパが良く満足感のあるコッペパンなどの堅実な日常が残った」ということでしょうか。

インフレと人手不足が常態化する現代において、ビジネスに求められるのは「爆発力」ではなく「持続力」です。 老若男女に愛され、景気に左右されにくい低単価・日常食。そして、職人不足という業界の課題をシステムで解決した「コッペパンFC」。

一過性のブームではなく、「飽きない需要」「職人不要のFCシステム」こそが、今の時代に選ばれる、長く続くビジネス(文化)と言えそうです。

【引用・参考文献】

※1 東京商工リサーチ「パン製造小売の倒産動向調査(2023年度)」より

※2 総務省統計局「家計調査」より

※3 日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」より

※4 リライブフードアカデミー「パン屋の廃業原因と対策」より

今回は、国内最大級のQ&Aコミュニティ「OKWAVE」において近年増加傾向にある「コッペパン」をテーマに調査いたしました。株式会社オーケーウェブは、今後も人々の疑問や不安に寄り添い、より実態に即した情報提供に努めてまいります。

本調査リリースの内容に加え、さらなる詳細については、弊社運営メディアOKWAVEセレクト内にて詳しくご紹介しています。

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