髪・頭髪に関する悩みの代表格といえば、フケです。気がついたら肩に白いフケが付着してしまって悩んでいる人もいると思います。そんな悩みを持つ人の強い味方になってくれるのが、フケ防止シャンプーです。
しかしいざフケ防止シャンプーを使ってみても、いまいち効果がないという体験をしている人もいるかもしれません。自分に適したフケ防止シャンプーを見つけるには、どのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか。
今回は、おすすめフケ防止シャンプーの紹介、フケ防止シャンプーの選び方などを解説します。フケの原因や種類なども説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも「フケ」とは?
フケとは、垢の一種で頭皮から出る老廃物を指します。人間の体はターンオーバー(新陳代謝)によって古い成分が排出され、皮膚などは常に健康な状態を保つ仕組みです。ターンオーバーの際、古い角質が浮き上がって剥がれます。この古い角質がフケです。通常のフケは目立たない大きさで、洗髪できれいに取り除けます。
ターンオーバーが正常に機能していればフケの発生は問題ありません。ただし、皮膚常在菌であるマラセチア菌が増加するとフケは必要以上に発生します。マラセチア菌とは、頭皮の皮脂や汗を養分にして他の雑菌の侵入を防ぐ働きをする菌です。
ただし、マラセチア菌・皮脂や汗のバランスが狂ってしまうと、フケの発生にも影響を与えます。肉眼でもはっきりと確認できるほどフケが大量発生する「フケ症」という状態になってしまうのです。
フケが大量発生すると、以下のような事態を招きます。
・フケが頭皮を刺激してかゆみが発生
・頭をかくことによって頭皮に負荷がかかり炎症などが発生
・雑菌が繁殖して嫌な臭いが発生
・髪の表面や肩にフケが目立ち見た目が不潔になる
フケの大量発生は上記のようなさまざまな弊害をもたらすため、少しでも早く対処しなくてはいけません。
フケの種類とその原因
フケはいくつかの種類があるのが特徴です。以下よりフケの種類と発生する原因を、それぞれ説明します。
乾燥フケ
乾燥フケは、文字通り乾燥したフケです。白くて乾いているため頭髪から落ちやすく、大量発生したフケが肩に落ちた場合、肩が真っ白になり見た目も不潔な印象になります。
乾燥フケが発生する原因は、頭皮の乾燥です。必要以上の洗髪・洗浄力の強いシャンプーでの洗髪をした場合、頭皮の表面にある皮脂が極端に減ってしまいます。
皮脂による頭皮汚れ・毛穴詰まりは、薄毛・抜け毛の原因になるため、しっかりと除去することが大事です。しかし頭皮のうるおいをキープするために、ある程度の皮脂は残しておかないといけません。
頭皮汚れ・毛穴詰まりを気にするあまり洗髪を過剰にやってしまうと皮脂が必要以上に減り、頭皮の乾燥を招きます。頭皮が乾燥するとおかしくなってしまうのが、ターンオーバーの周期です。それにより角質細胞の排出が早まって、その結果、乾燥フケが大量発生してしまうのです。またもともと乾燥肌の体質の人は、乾燥フケが発生しやすくなります。
皮脂フケ
乾燥フケと違い、湿り気がありベトベトしたフケが、皮脂フケです。見た目は白もあれば黄色ががった白もあり、湿っているために頭皮・頭髪からは落ちにくく大きなかたまりが頭髪に張り付いた状態になります。
皮脂フケが発生する原因は、皮脂が必要以上に頭皮にとどまっていることです。皮脂の過剰分泌・頭皮の洗浄不足が続くと菌が大量に繁殖して、頭皮を刺激します。それによりターンオーバーに狂いが生じて、フケが大量発生してしまうのです。
大量発生したフケは酸化の進んだ皮脂・頭皮上の汚れなどと混ざり合い、ベトベトした皮脂フケになります。頭皮などに付着する皮脂フケは大きなかたまりで目立ち、菌の大量発生により嫌な臭いも発生させます。
偏った食生活を送っている人は皮脂が過剰分泌しやすいため、入念に洗髪をしても皮脂フケが大量発生しやすいです。
脂漏性皮膚炎
フケの大量発生がどうしても治らずに皮膚科に相談する人は、脂漏性皮膚炎と診断されるケースが少なくありません。脂漏性皮膚炎とは、皮脂フケが悪化して炎症が起きてしまう皮膚疾患です。脂漏性皮膚炎は頭皮だけでなく、耳まわり・鼻など皮脂の分泌が活発な部位に発生します。
炎症が悪化するとかゆみもひどくなり、ひっかきが原因でかさぶたが発生することもあります。頭皮に起きた脂漏性皮膚炎が促進されると起きるのが、抜け毛の発生です。どうしても治らない場合は、自身で治すことをせずに、病院へ相談に行くことをおすすめします。
フケ対策は愛用シャンプーの見直しも重要
「しっかりと毎日シャンプー・リンスをしているから、フケの心配はナシ」と考えている人もいると思いますが、その原因は間違っているかもしれません。使っているシャンプーが原因でフケが発生する可能性もあります。
シャンプーにはさまざまな種類があるのが特徴です。
・保湿成分が多いシャンプー
・洗浄力が強いシャンプー
・洗浄力がマイルドなシャンプー(アミノ酸系)
・防腐剤・着色料・合成香料など添加物が多いシャンプー
・添加物が少ない・無配合のシャンプー
「頭髪をきれいに洗って汚れを一掃すればフケも防止できる」と洗浄力の強いシャンプーを愛用している人もいるかもしれません。ただし洗浄力の強い成分が配合されていると、皮脂を必要以上に除去してしまい頭皮にも刺激を与え過ぎて、良い影響にはなりません。
かといって乾燥肌ではなく皮脂の分泌が多少活発な人は洗浄力を抑えたシャンプーだと、物足りない可能性があります。
フケの発生が止まらない人は、現在使っているシャンプーが自分にとって適切であるか、見直すことが大事です。
フケ防止シャンプーの選び方
シャンプーのなかにはフケ防止効果が期待できるとうたっている商品もあります。しかしフケ防止シャンプーであれば何でもいいというわけではなく、自分のフケの症状に合わせてシャンプーを選ばないといけません。では、フケ防止シャンプーを選ぶ際のポイントを以下より説明します。
乾燥フケの場合
乾燥フケが発生するのは頭皮の乾燥です。皮脂を洗浄し過ぎて頭皮にうるおいがなくなったためにフケが発生しやすくなります。そのため、洗浄力が強い高級アルコール系・石けん系のシャンプーではなく、洗浄力がマイルドなアミノ酸系のシャンプーを選びましょう。
そして、洗浄後の頭皮のうるおいキープも大事です。そのため保湿効果のある保湿成分が含まれているかどうか確認しましょう。保湿成分はセラミド・ヒアルロン酸・コラーゲン・グリセリンなどです。
すでにフケが発生している人は、医薬部外品と表記されている商品を選びましょう。医薬部外品には、効果が期待できる有効成分がしっかりと配合されています。グリチルリチン酸ジカリウムなどの有効成分の働きは、抗炎症などです。
皮脂フケの場合
皮脂フケの発生は、乾燥フケと逆の状態である皮脂の過剰分泌・洗浄不足が原因です。この状態だとフケの発生だけでなく、不摂生が原因で嫌な臭いも発生します。
皮脂をきれいに取り除き、頭皮を清潔にするにはフケ防止シャンプーのなかでも洗浄力の強い商品を選びましょう。確かな洗浄力で必要以上に頭皮上にある皮脂を適量に保ってくれます。
また、フケの原因であるマラセチア菌の繁殖を抑制するために、殺菌・抗菌効果のある有効成分が配合されていることも、皮脂フケ対策では重要です。臭いが気になる人は消臭成分・香りにも注目しましょう。シャンプーの香りの好みは人それぞれなので、自分好みの香りかどうか確認することも必要です。
低刺激かどうかも確認
洗浄力など多くの効果が期待できる成分が配合されているシャンプーは確かにフケ防止に効果があるでしょう。ただし、特に敏感肌の人は頭皮に刺激を与え過ぎる可能性があります。頭皮に強い刺激を与えると炎症などトラブルの原因にもなります。
敏感肌・肌への刺激が気になる人は、添加物の配合が少ない・あるいはゼロをうたっている低刺激性シャンプーを選ぶことが大事です。