汗や臭いの気になる症状を抑えてくれる制汗剤。暖かい時期に限らず、女性には必須アイテムの制汗剤ですが、その正しい使い方や使い分けについてはあまり知られていません。この記事では、そんな制汗剤のおすすめ商品11選と選び方や効果を徹底解説していきます。
目次
制汗剤とは?汗の臭いには種類があるって本当?
そもそも制汗剤って?
制汗剤(せいかんざい)とは、汗が気になる部分に塗ったり吹きかたりなどして使用し、一時的に汗を抑えてくれるものです。
現在ではさまざまなタイプの制汗剤が普及していますが、制汗剤のおすすめな選び方のポイントは、自分の臭いの種類や生活シーンに合わせた上手な使い分けにあります。制汗剤の中には、汗の分泌を抑えるおさえるのに特化したものや、肌の収れん作用を利用したもの、臭いの原因にアプローチしてくれるデオドラント効果の高いものなどがあり、タイプや配合成分によってさまざまな使い分けが可能です。よく含まれている成分には、塩化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、ミョウバンなどがあり、これらが皮膚表面に薄い膜を形成し、汗の分泌を抑制します。
制汗剤を使う前に!汗の臭いには種類があることを知っておこう
人は体内の温度調節をおこなうためや老廃物の排出のために汗をかきます。この汗をかくための汗腺は全身の皮膚にあり、部位によって汗をかきやすい場所やかきにくい場所に分かれています。また、汗腺にはエクリン線とアポクリン線の2つの種類があり、これらから出る汗の成分の違いによって、臭いもそれぞれ異なります。
【汗腺の種類】
<エクリン腺>
エクリン腺とは、人の皮膚全体に分布していて水分や塩分を主成分とする汗を分泌する汗腺です。
体温調節や、保湿、皮膚表面を清潔に保つ役割を担っています。
また、エクリン腺から分泌される汗そのものには、臭いはほとんどないといわれています。
<アポクリン腺>
アポクリン腺とは、脇や陰部、乳房周辺など、特定の部位に存在する汗腺です。
脂質やタンパク質、アンモニアなどを含む汗を分泌する汗腺で、ストレスなどの刺激に反応して分泌されることもあります。
アポクリン腺から分泌される汗は、エクリン腺の汗と比べ、臭いの原因となりやすい成分が多く、皮膚上で皮膚の常在菌や皮脂と混ざることでより強い臭いを発することがあります。また、フェロモンのような役割を果たしているともいわれています。
【臭いの種類】
女性の臭いの種類はさまざまです。前述した2つの汗腺から出る汗の成分の割合やホルモンバランスの変化、乾燥、不潔といった肌環境などから発する臭いが異なります。
<汗臭>
エクリン線から分泌された汗がもととなっています。時間の経過とともに皮膚表面でアカや皮脂と混じり合うことで臭いを発します。制汗剤などのを利用でして抑えやすい臭いです。
酸っぱい臭いや雑巾のような臭い、嫌な足の臭いもこのような原因によることが多いです。
<わきが臭>
アポクリン線から分泌された汗がもととなり、皮膚表面の皮脂や常在菌と混ざると強い臭いを発します。
わきが臭が気になるひとは、肌を洗いすぎたり肌を乾燥させたりするとさらに皮脂の分泌を助長し、より強い臭いになることがあるので注意しましょう。また、ストレスも臭いを強くすることがあります。
高皮質、高タンパクの食事を控えたり、程よい保湿をおこなうなどもおすすめの対処法です。
<ミドル脂臭>
30代から40代くらいの女性に発生することがあり、主に頭皮や後頭部あたりに臭いを発します。
原因はさまざまですが、女性ホルモンの変化や生理周期、加齢、食生活などによる皮脂分泌の活性化が起因しています。
<加齢臭>
更年期以降、ホルモンバランスの変化による皮脂分泌量の増加や、皮脂の成分の変化などが原因となり、加齢臭を引き起こします。
油が酸化したような臭いが特徴で、実際に酸化した皮脂が臭い、頭皮や後頭部に発生しやすい臭いです。
また、ストレスなども臭いを増加させる原因になります。
制汗剤はシーン別に使うのがおすすめ!制汗剤は全4タイプ
手軽さと密着度重視の人におすすめのロールオンタイプの制汗剤
高密着なロールオンタイプは制汗剤作用が高く、たくさん汗をかきやすい時期や多汗症の人にもおすすめです。制汗剤は液状になっていて、ロールボールを肌にあてコロコロ転がすことで、肌に密着させながらムラなく塗り込むことができます。
首回りやうなじなどの毛が多く塗りにくい部分にも塗りやすい形状です。
あまり手を汚さずにいつでも簡単に塗ることができますが、使用する際は、中に粉体の成分を配合していることもあるので、塗布前にボトル内を混ぜるように軽く振ってから使用しましょう。また、塗ったあと白っぽくなったり粉っぽくなったりすることも少ないのもおすすめのポイントです。
ただし液状の制汗剤なので、塗ったあと後すぐに洋服を着ると洋服についてしまったり制汗剤がとれたりしててしまう恐れがありますので、制汗剤が乾いてから洋服を着るようにしましょう。
ベタつきがきになる人におすすめのパウダータイプの制汗剤
パフを使用するコンパクトタイプやパウダースプレータイプ、パウダーシートタイプなどがあります。パウダー状の吸収剤が皮脂や汗を吸着してくれ、さらさらとした使用感が特徴です。皮脂や汗の吸着効果と収れん効果が高く、すっきりとした使用感が好きな人やオイリースキン(脂性肌)の人にもおすすめの制汗剤です。
脇だけでなく、胸の谷間、アンダーバスト、首筋、太もも裏などベタつきが気になる部分に使用でき、女性が使いやすい制汗剤となっています。
ドラッグストアやコンビニなどでも手軽に購入ができるスプレータイプやシートタイプは、さっと吹きかけたり拭いたりするだけで効果を得られ、持ち運びにも便利なので外出用にとても人気の高い制汗剤です。
利便性や密着度重視の人におすすめのスティックタイプの制汗剤
スティックのりのような固形状でクルクルと出して直接肌に制汗剤を塗ることができます。
こちらも肌への密着度に優れており、汗をかいても落ちにくいので、制汗効果やデオドラント効果が長時間持続しやすい制汗剤です。夏場や運動時などたくさん汗をかきやすい時や、多汗症の人にもおすすめの制汗剤です。
また、他のタイプと比べて手を汚さずに直塗りできることや、塗ったあとのすっきりとした使用感、速乾性があり、コンパクトな物も多い制汗剤なので、外出時にもおすすめです。
ただし乾くと白っぽく残ったり、洋服につくととれにくいというデメリットもあるので注意しましょう。
とにかく効果を得たい人におすすめのクリームタイプの制汗剤
ジャー型やチューブ型の容器から取り出し、指で肌に伸ばして使用します。クリーム状やジェル状のものがありますが、クリーム状の方が密着度が高く制汗効果が高いのが特徴の制汗剤でおすすめです。ジェル状の制汗剤はさっぱりとした使用感で、夏の暑い時期やべたつきが苦手な人におすすめです。
また、足の指の間など、汗をかきやすく塗りにくい部位にも使用できることや、保湿効果も持続しやすく、香料入りのものを使用すれば香料のよい香りが持続しやすいのも魅力です。
ただし、指で肌に伸ばして使用するので手が汚れたり、持ち運びにはあまり向かないので自宅で外出前に使用するのがおすすめです。
制汗剤の正しい使い方や注意点は?
汗や臭いを抑えてくれる便利な制汗剤ですが、間違った使い方をで使用してしまうと嫌な臭いを助長したり、肌荒れの原因になったりする可能性もあります。
逆に正しい使い方をで使用することで、より制汗剤の効果を発揮してくれる頼れるアイテムです。
今回は、そんな制汗剤の正しい使い方や注意点を4つご紹介していきます。
1.肌をきれいな状態に整えてから使用するとより効果的!
デオドラント剤や制汗剤は肌がきれいな状態で使用するのがおすすめです。制汗剤を使用する前は、シャワーで汗や汚れを洗い流したり、ふき取り化粧水などを使ってふき取るようにしましょう。もし、前日の夜シャワーで洗い流し、翌朝に制汗剤を使用するような場合にも、寝ている間には寝汗をかいてしまってるので、必ずふき取り用化粧水を使用するなどして、肌を清潔にした状態で使用しましょう。
汗をかいたままや皮脂やよごれが残ったままの肌に制汗剤を塗っても、肌に残った汗や皮脂が邪魔をして、汗腺にアプローチできなかったり、制汗剤が汗と一緒に流れてしまうなど本来の制汗剤の効果を発揮しませんし、こまめに肌をきれい綺麗にして清潔に保つことは、臭いの軽減にも繋がりますので注意しましょう。
2.乾燥した肌は臭いやすい!制汗剤が肌トラブルにつながることも…
乾燥や皮脂垢は、臭いを強くする原因になります。保湿や清潔を心がけて健康な肌を保つようにしましょう。
人の肌は潤いが不足し乾燥すると、肌表面を守ろうと皮脂の過剰分泌をし、臭いのもととなる皮脂成分で肌をコーティングしてしまいます。また、乾燥した状態の肌はバリア機能が乱れて敏感になっており、細菌が入りやすく肌トラブルを起こしやすくなっています。制汗剤もそのひとつで、乾燥肌につけることで肌が炎症を起こし接触皮膚炎(かぶれ)に繋がることもあるので注意しましょう。
肌の余分な皮脂や汗などの汚れを取り除いたのち、保湿効果のある化粧水やジェルでベタベタしない程度に保湿をおこなうのがおすすめです。
3.体臭が強い人は無香料の制汗剤を使うと臭いにくい!
制汗剤の中には香料を使用しているものが多く、汗臭をマスキングしてくれる効果がありますが、これはどの種類の臭いにも効果があるわけではありません。
例えば、わきが臭や加齢臭などの強い臭いは、制汗剤の香料と不自然に混ざってしまい、不快な臭いとなりより助長してしまうことがあります。
人の鼻は、ずっと同じ臭い匂いを嗅ぐとその臭いを感じにくくなるため、日常生活の中で自分の臭いを認識することはほぼありません。そのため、だれでも自分の体臭には気づきにくく、自分の体臭にあっていない香料を選んでしまうこともよくあります。『もしかして自分の体臭は強いのかも…』と感じることがあったら、無香料の制汗剤を使用してみましょう。もし無香料だと心配だという人がいたら『〇〇ソープの香り』など石鹸系の香料を配合した制汗剤がおすすめです。
4.臭いの原因となる日常生活の悪習慣を見直そう!
体臭は体調や生活習慣に強く関係しているため、身体の不調や生活習慣を見直すことで気になる臭いを改善することも可能です。
臭いの原因となる悪習慣は主に次の5つです。自分があてはまっていないかチェックしてみてくださいね。
<臭いの原因となる日常生活の悪習慣>
・喫煙
タバコの喫煙習慣は体臭を悪化させる大きな原因のひとつといわれています。タバコに含まれるニコチンは、アポクリン腺やエクリン腺の刺激につながる作用を起こし、発汗発刊を促すため必然的に皮脂汗の分泌量が増えてしまいます。皮脂や細菌と混ざることで臭いを発するエクリン腺からの汗と、脂性成分の多いアポクリン腺からの汗が同時に多く分泌され、嫌な臭いを多く拡散してしまう悪習慣です。
喫煙は、わきが臭や加齢臭の原因のひとつで、喫煙回数が多いほど悪臭を引き起こしやすくなります。喫煙者で体臭が気になる人は、無香料の制汗剤を使用したり、禁煙にチャレンジしたりするしてみるのもおすすめです。
・脂質の多い食生活
揚げ物や肉中心の食事、ジャンクフードなどの脂質の多い食生活は体臭の悪化の原因となります。これらの脂質の多い食事は胃や腸にも負担がかかりやすく、腸内環境の悪化にも繋がり、腸内環境の悪化は体臭としてあらわれてしまう場合があります。また、脂質が中心の食生活になると、食物繊維やポリフェノールなどの抗酸化作用のある成分が不足しがちで、体内の脂質が酸化してしまうことにより、体臭の悪化に繋がります。
脂質の少ない植物性のタンパク質や、野菜、抗酸化作用のある果物やサプリメントなどを取り入れるのがおすすめです。
・運動などの汗をかく習慣がない
人は汗をかくことはで老廃物や毒素を排出したり、毛穴を開かせ古い角質を落としたりすなど、肌を清潔に整える効果があるといわれています。
普段から運動や入浴などを行わず、汗をかく習慣がないと体内の老廃物や毒素が排出できず、肌にも古い汚れや角質が溜まったままになってしまいます。
このような状態で急に汗をかくと、今まで溜まっていた余分な成分が排出され、臭いにおいの原因となってしまうことがあります。
汗が滲む程度の軽い運動や入浴、サウナなどを取り入れて、普段から発汗する習慣を身に着けるようにしましょう。また、サウナはストレス発散効果もあり、疲れ気味のひとにもおすすめです。
・ストレスを多く抱えている
ストレスの抱え過ぎは、わきが臭や加齢臭といった臭いの原因のひとつになるといわれています。ストレスが重なると自律神経が乱れ、緊張状態が続きます。緊張状態では手汗やわき汗などの量が増え、体臭の悪化につながることがあります。
普段からなるべくストレスを溜めないよう、意図的に心が休まる自由な時間を設けたり、趣味でリフレッシュするなどして、ストレス発散を意識してみましょう。また、ストレスを抱えずとも睡眠不足は自律神経が乱れる原因にもなりますので規則正しい充分な睡眠をこころがけましょう。
自分に合う制汗剤のおすすめの選び方は?
ドラッグストアやネット通販でさまざまな種類が豊富な制汗剤ですが、自分に合っていないあっていない制汗剤はあまり効果を発揮できないこともあります。自分に合う制汗剤のおすすめの選び方を3つご紹介していきます。
体質や汗の量、生活習慣で選ぶ
スキンケアにも乾燥肌、脂性肌、混合肌のような分類があるように、人の身体の皮脂や汗の分泌量はもともとの体質や生活習慣により異なります。特に乾燥肌の人は、保湿効果も兼ね備えた制汗剤がおすすめです。
一度に流れる汗の量が多い人や多汗症の人は、より高密着度なロールオンタイプ、スティックタイプの制汗剤がおすすめです。
また生活習慣の中なかで、一時的な運動や移動時間の汗臭対策にはロールオンタイプやパウダータイプが相性が良い一方、長時間、制汗効果やデオドラント効果を持続したい人にはスティックタイプやクリームタイプのような効果の持続力が高い制汗剤がおすすめです。
使用する身体の部位で選ぶ
制汗剤は、使用したい身体の部分に塗りやすいものや、自分の汗をかきやすい部分に適応したものを選ぶのがとてもおすすめです。
例えば、背中に制汗剤を使用したい場合、パウダータイプでスプレー型の制汗剤は背中にも吹きかけて使いやすいですが、もしクリームタイプを使おうとすると、背中に指で広げるのは塗りづらかったり、皮脂分泌が多くなりがちな背中には向いていないこともあります。逆に、足の指の間や耳の裏のような細かい部分に使用するには、クリームタイプのような指で伸ばせるタイプが向いています。
配合成分で選ぶ
制汗剤の効果は、どれも汗や臭いを抑えるものなので、一見どれも配合成分には大差がないように感じますが、それぞれの特徴や用途、タイプにより処方は異なっています。今回は、おすすめの配合成分での選び方を3つご紹介します。
1.有効成分を重視
ここでは制汗剤によく使用される有効成分4つをご紹介します。
イソプロピルメチルフェノール
殺菌有効成分で、肌上の細菌の繁殖を抑えてくれる働きがあります。
焼きミョウバン
汗に含まれるタンパク質を固め硬め、汗の出口をふさぐことで汗を出にくくするといわれています。
クロルヒドロキシアルミニウム
代表的な制汗成分のひとつで、汗に含まれるタンパク質と結合し、汗腺をふさぐことで汗を出にくくするといわれています。
パラフェノールスルホン酸亜鉛
皮脂の分泌や細菌の増殖を抑制し、皮脂臭を抑えてくれるデオドラント効果の高い成分といわれています。
2.保湿効果や肌への負担を重視
ここでは制汗剤によく使用される、おすすめの成分を2つご紹介します。
β―グリチルレチン酸
植物から抽出される自然由来で漢方薬や食品にも使用されることがある、肌にも優しい殺菌成分です。
エチルヘキシルグリセリン
抗菌や消臭効果に優れていながら保湿効果も兼ね備えた成分です。パラベンフリーなどの肌に優しい化粧品に含まれることが多い成分です
3.制汗効果の強さを重視
ここでは制汗剤によく使用される効果の高い3つの成分を、効果の強い順にご紹介します。
塩化アルミニウム < クロルヒドロキシアルミニウム < ミョウバン
塩化アルミニウム
3つの中で最も制汗効果が高いといわれています。効果が高すぎることから肌荒れを引き起こす原因にもなるため、改良がすすみ、現在ではクロルヒドロキシアルミニウムがよく使われるようになっています。
クロルヒドロキシアルミニウム
塩化アルミニウムの次に制汗効果が高いといわれており、塩化アルミニウムに改良を加え、肌への刺激を抑えた成分となっています。
ミョウバン
3つの中で最も制汗効果が穏やかといわれています。収れん効果により肌をひきしめ、汗の分泌を抑制します。また、殺菌効果により肌上の細菌の繁殖を抑制し、臭いを抑えるといわれています。
<自分似合う制汗剤のおすすめの選び方>